今年も河川敷に桜の花が咲き誇ってくれた。
人の懊悩や、自然災害や、人災が起こったにせよ、
桜から見れば、そのようなことは横目で見送って、
今年も見事に咲いてくれた。
ここはあえて「咲いた」ではなく、「咲いてくれた」と書いてみたい。
「来年も咲くの?」
と、子供は、何気なく尋ねる。
「ええ、もちろんよ」
お母さんは、そうやって明るく答えた。
言葉には何の根拠もないけれど、明るく気丈に答えていた。
僕はその光景を見て、
かつて母に手を取り連れられ歩いた桜並木を思い浮かべていた。
自分の中の心象風景と現実の世界が重なり、
今いるこの地点がどちら側の世界なのか、もはや判別が難しくなっていった。
それとともに、判別するという行為に意味を見いだすこと自体が、難しくなっていった。
だから僕は、歩き続けた。
ただ、ひたすらに、歩き続けた。
そうして自身の轍を振り返った時、
もう、随分と遠い所まで来たなと、つぶやいて、ひとり黙した。
■■■■追記■■■■
撮影場所:柳瀬川
尚、上記の文章は「Hantamaの頭の中は」からの転載です。
ご興味のある方は、写真家YORIZOと
私とのユニットHantama(ハンタマ)もよろしくです!
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