2012年10月2日火曜日

「2012年のビンゴ・ピンボール:第1話」



ぼくが職場の先輩K氏に連れられて、埼玉県はふじみ野にあるそのゲームセンター
「AmusementField BAYON」を訪れたのは2012年9月の終わり頃である。

季節はちょうど馬鹿みたいに暑い夏が終わりを告げ、
秋の顔面が我が物顔で我々のすぐそばにあった。

夏が去って行く時には大抵巨大な台風が日本列島に上陸するけれど、
ぼくと先輩がこのゲームセンターに行くことになったのも
ある種こうした必然性の中にあったのかもしれないと今となっては感慨に耽ってしまう。


***


この物語は2012年の9月に始まり、終わりは現時点ではまだ見えていない。

かつて世界のゲーム王と呼ばれたロシアの大富豪シャカナビア・ペトロフの言葉が
これから始まる物語を語る上ではふさわしいだろう。

「ゲームには開始という概念はあるが、終わりは無い。
 終焉とは形而学上の概念であり、それは各プレーヤーにゆだねられている。
 さあ君もそのダイスを転がすといい。ダイスは自らのあり方を教えてくれるから。」
〜「ゲームの偶発生と必然性」(訳:多田歩)〜

ぼくはこの言葉を文化社から出版されている一冊の単行本の中で見つけた。
そしてそっと赤い線を引いたことを覚えている。
(ぼくはたまにこうして線を引く癖がある)

どこかで聴いたことがあるような気もしたし、
あるいは全く始めて触れた言葉だったのかもしれない。

核心を突いているようで、何かしら秘めているものもある。
なぜ線を引いたのかは分からない。

だけど、この言葉の羅列の中の何かにぼくは共鳴したのだった。
恐らくはある種の共時性のようなものじゃないかと思う。


***

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